意識高い系の予告↑
めちゃくちゃ格好いい予告↑
2017年2月3日に故伊藤計劃さんのディストピア小説『虐殺器官』も劇場公開されて話題になってます。
虐殺器官は、現在の世界情勢も盛り込まれた社会性が高い作品なので、エンターテイメントとしてだけでなく、教養としてもおすすめできる作品です。
今回は虐殺器官について解説しつつ、さらに虐殺器官のようなディストピアものについても併せて紹介していこうと思います。
虐殺器官のキャスト
今回、主演を務めるのは中村悠一さんと櫻井孝宏さん。
中村悠一さんはドリフターズの島津豊久を演じているし、櫻井孝宏さんも舟を編むで馬締光也を演じているし……2016年の活躍ぶりが凄かったです。
虐殺器官のキャストは、そう考えるとかなり豪華。
クラヴィス・シェパード役中村悠一
主人公であるクラヴィス・シェパードを演じるにあたって中村悠一さんが苦労したのは、キャラクターの感情表現だったそうです。
なにしろ、虐殺器官の世界では、軍人たちは感情をコントロールされた状態で戦場にいるわけですから、そもそも、従軍したことがない現代の日本人にとって戦場にいるという感覚自体が分からないわけです。
それは、中村さんだけでなく、軍人役を演じた他の声優さんたちも同じだとは思いますが、今回の演技は、未来の戦争を通して中村さんの演技の新境地が聞けます。
戦場のシーンは、歴代の戦争映画やアニメなどを参照するとして、そこに感情抑制という要素も入ってくるわけですから。
物語のなかでは、軍人が受ける感情抑制措置は、戦闘適応感情調整と呼ばれますが、恐怖心を取り去るために実際の戦争でも薬物を使うという事実もあります。
ジョン・ポール役櫻井孝宏
虐殺器官の登場人物の中で一番ミステリアスな役がジョン・ポールです。
櫻井孝宏さんも、ジョン・ポールを演じる上で、かれの知性を越えることはできないことを認識した上で演じたようです。
でも、だからといって、自分を越える人間を演じることはできないというわけではありません。
櫻井さんは、想像力と芝居の中で他のキャラクターを利用しながら、ジョン・ポールを演じたそうです。
虐殺器官の見所の一つとして、中村悠一さん演じるクラヴィス・シェパードと櫻井孝宏さん演じるジョン・ポールとの対話があります。
虐殺器官は映像もハイレベルですが、声優さん同士のやはりハイレベルの演技のぶつかり合いがそれを盛り上げているわけですね。
ルツィア・シュクロウポヴァ役小林沙苗
虐殺器官の紅一点であるルツィア・シュクロウポヴァ役は小林沙苗さんです。
小林沙苗さんはルツィア・シュクロウポヴァのミステリアスさをハリウッド女優のルーニー・マーラを参考にして演じたのだとか。
ルーニー・マーラといえば、ドラゴンタトゥーの女のリズベット役で話題になった女優です。この人にはどこかミステリアスな面があるので参考にしたのは分かる気はします。
虐殺器官の監督は村瀬修功
虐殺器官の監督は村瀬修功さんです。
村瀬修功さんといえば、代表作としてはErgo ProxyやGANGSTAがあります。
虐殺器官は、本来、去年の段階で公開されていたはずでしたが、制作を担当していた会社が倒産したのもあって、世に出るまでに紆余曲折ありましたが、それをなんとか建て直して、映像にしてくれたことに感謝です。
村瀬修功監督によれば、虐殺器官の本質はミリタリー描写ではなく、クラヴィスの個人的な話の方なのだとか。
確かに、最初に虐殺器官に対して抱く印象は、ミリタリー要素が強い、だと思うのですが、ぼくも話が進むにつれて主題がミリタリーではなくなっていく感じがしました。
しかしながら、村瀬修功監督は、あえて、今回の虐殺器官を映像化するにあたって、ミリタリー要素の方を描くことにしています。それによって、映画でしか表現ができない虐殺器官になっているわけですね。
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