『サクラメント 死の楽園』を筆頭にガイアナ人民寺院の集団自決が元ネタの映画を紹介してみる

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『サクラメント 死の楽園』を筆頭にガイアナ人民寺院の集団自決が元ネタの映画を紹介してみる

今回紹介するのはサクラメント 死の楽園(2013)。

このサクラメント 死の楽園は、なんと、ガイアナの人民寺院で起こった集団自決を元ネタにしています。

サクラメント 死の楽園の監督はタイ・ウェスト。製作はホステルやグリーンインフェルノを撮ったイーライ・ロスです。

全編POVで体感できる驚愕のドキュメンタル・ホラー、というのが本作のウリ。
最初は、和やかだった教区が、徐々に不穏に包まれていき、崩壊していく様子が雰囲気たっぷりで描かれるので、カルト宗教の恐ろしさを味わいたい人やゾンビや吸血鬼などクリーチャーが出てくる恐怖映画より、リアリティのある恐怖を味わいたい人向けだと言えます。

サクラメント 死の楽園が視聴できるサービス
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サクラメント 死の楽園のあらすじ

ある日、連絡が途絶えていた妹から手紙を受け取ったパトリック(ケンタッカー・オードリ)。しかし、その手紙の内容を不審に思ったパトリックは、過激な取材スタイルをウリとしているVICE社のサム(A・J・ボーウェン)、ジェイク(ジョー・スワンバーグ)と一緒に、妹が所属している共同体に潜入します。

パトリックたちがヘリコプターに乗ってたどり着いたのは『エデン教区』。
エデン教区の入口を見張っている男は、銃を持っており、いきなり不穏な空気に。
しかし、パトリックの妹の仲介によって、何とか一同はエデン教区に入ることに成功。

エデン教区で生活している人はだれもが幸せそうに暮らしており、エデン教区の人々は、ここで豊かな生活ができているのは『お父様』のおかげだといいます。
その言葉が本当なのかどうかを確かめるために、サムは『お父様』にインタビューをしたいと希望し、それは実現されることに。

『お父様』の登場は、拍手や歓声によって迎えられ、会場は異様な空気に包まれます。
サムの質問に対し、『お父様』と呼ばれている男は、ひょうひょうと答え、エデン教区の人々は大きく賛同。完全にアウェイの中で行われたインタビューは、サムが聞きたいと思っていたことを全く聞き出せないまま終わりました。

そのあと、パーティが始まり、エデン教区の住民たちは歌を歌い、踊ります。
しかし、一見、楽しそうに見えるその姿に、徐々に、不可解な空気の匂いが香り始めます。

集会を離れると、まだ10歳かそこらの少女が「助けて」という文字が書かれたメモを渡してきたのです!
異変を感じ、『お父様』の部屋に入り、開いていた金庫を見ると、そこには無数のパスポートが。
そして、パトリックもいつの間にか姿を消しています。

エデン教区の住民たちは、何かを恐れ、何かを隠している。
事態を重く見たサムとジェイクは、明朝、迎えに来たヘリコプターで脱出を試みようとしますが、いきなり銃の乱射が……。

しかも、これは、まだ、悪夢のほんの序章に過ぎなかったのです。

サクラメント 死の楽園の元ネタは実話→人民寺院の集団自殺

実は、サクラメント 死の楽園には元ネタがあります。

それは、1978年に起こった人民寺院の集団自殺事件。
人民寺院の教祖であるジム・ジョーンズが信者914人と一斉に自殺をし、911テロ以前では、アメリカ史上で最悪の犠牲者を出したといわれる事件です。

これを、キャビン・フィーバーやホステルを撮ったイーライ・ロスが製作を担当し、V/H/S シンドロームのタイ・ウェストが監督を務めたというわけですね。

イーライ・ロスは、キャビン・フィーバーやホステル、近年ではグリーンインフェルノなど、あたるホラーをかぎ分ける嗅覚がとんでもなく鋭敏です。

特に、食人族を現代に復活させてしまったグリーンインフェルノは、かなり怖かったし、面白かったです。
イーライ・ロスは、今後も映画監督としても製作者としても、超注目の人物。

サクラメント 死の楽園以外でガイアナの人民寺院の集団自殺をモチーフにしている映画

実は、人民寺院の集団自殺に影響を受けて取られた映画は、サクラメント 死の楽園だけではありません。

以下で紹介する映画も、人民寺院の集団自殺にインスパイアされています。また、世紀の瞬間 未解決事件では、こちらの事件が分かりやすくポイントを押さえてまとめられています。

特に、おすすめなのは、V/H/Sネクストレベル(2013)。

V/H/Sネクストレベル

五人の監督が撮ったそれぞれのPOV系ホラー。
人民寺院の集団自決を元ネタにしていると思われるのは4話目にあたる『SAFE HAVEN』。

こちらは、インドネシアのシラット最強格闘技映画『ザ・レイド』のギャレス・エヴァンス監督が撮ってます。

個人的には、人民寺院を元ネタとしている映画の中では、これが一番好きです。
V/H/Sネクストレベルに収録されているほかの映画も面白いですが、このSAFE HAVENだけでも一見の価値があります。

ガイアナ人民寺院の悲劇

1980年、パナマ・スペイン・メキシコ合作の映画。エクスプロイテーション映画的な演出も盛り込まれている、ということで批判されることも多い映画です。

Guyana Tragedy The Story of Jim Jones

こちらも1980年にアメリカで製作されています。こちらは利益目的ではなく、人民寺院の全盛期が描かれるなど、真面目なスタンスで撮られたジム・ジョーンズの伝記映画。
日本語字幕がないのが残念。

Jonestown: The Life and Death of Peoples Temple

こちらは、人民寺院があった当時に記録映像をまとめたドキュメンタリー映画。(2006年公開)
やはり、日本語字幕がないのが残念です。

テレビ朝日の世紀の瞬間 未解決事件

ガイアナ人民寺院の集団自殺事件の入門編にどうぞ。
事件の経緯やポイントが分かりやすくまとめられています。

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