話題の映画『ドクター・ストレンジ』は、アメコミヒーロー映画としてはかなり異色です。
ハリー・ポッターシリーズと並べて語られることもあるドクター・ストレンジですが、そもそも両者は原作がまったく違います。
今回は、そんなドクター・ストレンジについて解説します。
ドクター・ストレンジのキャスト
ドクター・ストレンジのキャストはとても豪華。
主役から敵役まで、実に濃い俳優たちが肩を並べています。
ドクター・ストレンジ役はベネディクト・カンバーバッチ
主人公であるドクター・ストレンジを演じるのはベネディクト・カンバーバッチです。
ベネディクト・カンバーバッチといえば、イギリスのBBC製作の人気ドラマ『シャーロック』でシャーロック・ホームズを演じた超演技派俳優です。
ベネディクト・カンバーバッチのその他の代表作は、最近だとスター・トレック イントゥ・ダークネス(2013)、イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(2014)などがあります。
エンシェント・ワン役はティルダ・スウィントン
ドクター・ストレンジのヒロインの一人はなんとスキンヘッド!
エンシェント・ワンを演じるのはティルダ・スウィントンです。
ティルダ・スウィントンはヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞するほどの演技派。
彼女の代表作には、スノー・ピアサー(2013)、グランド・ブダペスト・ホテル(2013)などがあります。
ティルダ・スウィントンは、ウェス・アンダーソンやジム・ジャームッシュなど、個性派映画監督と組んで仕事をする傾向にあります。
カエシリウス役はマッツ・ミケルセン
闇の魔術に魅せられた魔術師カエシリウスを演じるのはマッツ・ミケルセン。
マッツ・ミケルセンもティルダ・スウィントンと同様に演技派です。
マッツ・ミケルセンといえば、007 カジノ・ロワイヤル(2006)で、ボンド(ダニエル・クレイグ)のタマをしばいていたことで有名な感がありますが(笑)それだけでなく、ドラマ『ハンニバル』でハンニバル・レクター博士を演じている俳優でもあるんです。
ミステリアスな役柄が似合う、個人的にイチオシの俳優ですね。
クリスティン・パーマー役はレイチェル・マクアダムス
ドクター・ストレンジの元恋人クリスティン・パーマーを演じるのはレイチェル・マクアダムスです。
レイチェル・マクアダムスは今注目されている女優です。彼女は、スポットライト 世紀のスクープ(2015)でアカデミー賞助演女優賞ノミネートを果たしています。
また、それ以外でも、テレンス・マリック監督のトゥ・ザ・ワンダー(2012)やアバウト・タイム~愛しい時間について~(2013)やサウスポー(2015)などがあります。
個人的に彼女になってほしいハリウッド女優ナンバーワンです(笑)
ベネディクト・カンバーバッチがドクター・ストレンジを演じることになった経緯
実は、ベネディクト・カンバーバッチがドクター・ストレンジ役を演じることに決まったのはドラマ『シャーロック』や『ハムレット』でかれが忙しかったときなんです。
なので、一時はドクター・ストレンジ役が他の人になりかけたときもありました。もし、ベネディクト・カンバーバッチではなかったら、誰になる予定だったんでしょうか。
ぼくは、ドクター・ストレンジ役に、ベネディクト・カンバーバッチの次に相応しいのはロバート・ダウニー・Jr.だと思ってます。まあ、彼はアイアンマンのトニー・スタークをやってますけど。
この二人には何か共通すらものがある気がしませんか。
イギリスとアメリカのシャーロック・ホームズですしね(笑)
まあ、なんとか、シャーロックのドラマ関係者が撮影日程を調整した結果、ベネディクト・カンバーバッチがドクター・ストレンジに出演することができるようになったわけですが。
ドクター・ストレンジの魅力
ドクター・ストレンジはマーベル・コミックとしてはかなり異色のキャラクターです。
ストレンジは外科医で魔術師であるというだけでなく、マーベル・コミックの中では唯一、哲学的な領域に踏み込んでいくキャラクターだからです。
そもそも魔術師である、ということが、マーベル・コミックのヒーローとしては異質です。
それは、ドクター・ストレンジが60年代、70年代物に流行ったコミックだからというのもあります。
その頃に産み出された作品には、ある種、実験的な傾向がありました。
ドクター・ストレンジのイマジネーション溢れるコミックは、サイケデリック文化真っ只中の若者たちのバイブルとなりました。
ドクター・ストレンジのアベンジャーズ3の参戦はありえるか
まだ、気が早いかもしれませんがドクター・ストレンジのアベンジャーズ3 インフィニティ・ウォー(2018公開予定)の参戦は有り得るのでしょうか?
それについては、あります。
絶対、参戦しないわけがない!!
根拠もあります。
というのも、アントマンの例があるからです。
アントマンは今まで映画化しなかったと思っていたら急に映画化され、映画化したと思ったら、今度はキャプテン・アメリカ シビル・ウォーに参戦。
つまり、それまで映画化されていなかったアメコミヒーローが急に映画化される、というのは、アベンジャーズ参戦の布石に他ならないんです!
したがって、ドクター・ストレンジもここで映画化されたというのは、アベンジャーズ3 インフィニティ・ウォーへの布石に間違いないでしょう。
いやー、しかし、ドクター・ストレンジがもしアベンジャーズに参加することになったら、アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.との競演をすることになるでしょうから、二大シャーロック・ホームズの奇跡の掛け合いが見られそうですよね!
コミック版ドクター・ストレンジについて
ドクター・ストレンジの映画の話は聞いているけれど、そもそも、ドクター・ストレンジって何なの? という人もいるはず。
かくいうぼくも、ドクター・ストレンジについては映画版しか知りません。
コミックについては何も知らないに等しい状態で劇場に足を運んだし、まあ、面白ければコミックなんて知らなくてもいいとは思うのですが、せっかくなので、コミック版についてもいろいろと調べてみました。
【ドクター・ストレンジの概要】
作者 | スタン・リー&スティーブ・ディッコ |
---|---|
雑誌 | 怪奇コミック誌『ストレンジ・テイルズ』110号 |
ストレンジが戦う敵 | 異次元の存在 |
ドクター・ストレンジを生み出したスタン・リーとスティーブ・ディッコが、スパイダーマンを生み出したコンビでもあります。また、スティーブ・ディッコはすでに2017年の現在、90近いご老体にも関わらず、いまだに現役というすごい人です。
ドクター・ストレンジの中心的なクリエイターは、やはりスティーブ・ディッコ。かれいわく、ドクター・ストレンジの名前は、ドクター・ストレンジが掲載されていたストレンジ・テイルズに由来すると語っています。
ドクター・ストレンジが他のアーティストに与えた影響
スティーブ・ディッコがドクター・ストレンジを手掛けていた時期は3年ほどでしたが、かれがマーベルから離れた後も、スタン・リーと後続の作家たちがストーリーを続けてゆき、ドクター・ストレンジは数多くのクリエイターたちに影響を与えました。
たとえば、ピンク・フロイド。
ピンク・フロイドは、68年に出したアルバム『神秘』で、そのジャケットにはドクター・ストレンジがコラージュされています。
ムーディーな感じで、とても恰好いい曲なので興味がありましたら、ぜひ一聴ください。
ドクター・ストレンジとピンク・フロイドのこのような関係があることを知っており、スコット・デリクソン監督は、映画『ドクター・ストレンジ』の冒頭部分でも、ピンク・フロイドのInterstellar overdriveが使わっています。
なので、ドクター・ストレンジは、日本ではスパイダーマンやアイアンマンと比較すると知名度は低いのですが、アメリカではピンク・フロイドにアルバムのジャケットや音楽に影響を与えるなど、かなり大きな存在感を発揮しているのです。
ピンク・フロイドだけではありません。
その他にもドクター・ストレンジに影響を受けているアーティストはたくさんいます。
T・レックスは『マンボ・サン』という曲で彼の名前を歌っているし、カッコーの巣の上での著者で、ドラッグ・カルチャーの中心的な人物でもあったケン・キージーは、ドクター・ストレンジを愛読書にしています。
ドクター・ストレンジの監督はスコット・デリクソン
ドクター・ストレンジの監督はスコット・デリクソン。
スコット・デリクソンは、ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノの脚本・監督を手掛け、その他にもルール2やエミリー・ローズなどの脚本なども書いています。
また、比較的、最近の作品になると、デビルズ・ノットの脚本やNY心霊捜査官の監督・脚本を手掛けています。
ここまで書けば分かるように、スコット・デリクソン監督の得意分野は、なんとホラーです。
ドクター・ストレンジも異次元の何かを相手取り、魔術を駆使して戦いますから、ホラーを得意とするスコット・デリクソン監督が撮ることになったのは分かるような気がしますよね。
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